LIFFT定期便 制作秘話【前編】

LIFFT TALK ROOM  

LIFFT TALK ROOM は、LIFFTが主催する対談とそのレポートのシリーズです。

 

LIFFT定期便」は、「Farm to Vase ー農園からご自宅(花瓶)ヘー」を掲げるLIFFTが提供するサブスクリプションサービス。

フローリストが選んだ旬の花と、毎号書き下ろしで「花と考える」きっかけを与えるジャーナルのセットが毎月ご自宅に届きます。

 LIFFTを提供するBOTANIC代表上甲が、アートディレクション担当の小玉さん、LIFFT Journal編集長の出川さんをお迎えし、「LIFFT定期便の制作秘話」について対談したインスタライブのまとめ【前編】をお届けします。

 

当日は、東京・中目黒にある「LIFFT Concept Shop」に小玉さんをお招きし、 出川さんにはオンラインで参加して頂きました。(2021/2/15)

 

Profile


小玉千陽(こだまちはる)

小玉千陽

 

フリーランス、大手広告代理店での活動を経て、デザインスタジオium inc.を設立。LIFFT定期便全体のアートディレクションを行い、同世代のキャリア女性に寄り添うビジュアルを届ける。


出川光(でがわこう)

出川光

 

マイナビウーマン編集長などをを経て独立。現在はheyMAGAZINEの編集やメディアコンサルテーションなどを行いながら執筆、撮影なども行っている。「LIFFT journal」の編集を行う。



上甲友規(じょうこうともき)

上甲友規

代表取締役CEO

愛媛県出身。一橋大学を卒業後、メーカー、戦略コンサルティングファームを経て、BOTANICに入社。



「ストーリーのあるお花」をお届けする

 

上甲BOTANICは、都内で「ex.flowershop&laboratory」という店舗型の花屋を経営しながら、4年ほど前から「霽れと褻」というブランドで「花と新聞の定期便」という、その名の通りお花とそのお花に関する情報をまとめた新聞をセットにした定期便サービスを開始しました。現在ほど「サブスク」という言葉が浸透していない当時、私たちは他社に先駆けてサブスクサービスをスタートしました。

LIFFT対談
 

   1年ほど前からLIFFTでギフト用のお花の提供をスタートしたのですが、LIFFT定期便の構想自体はその頃から持っていました。「霽れと褻」は比較的尖ったサービスだったのに対し、LIFFTはお花への入り口として利用しやすいものとしてサブスクを始めたいという思いがあったんです

   そんな折に去年コロナ禍で自宅で過ごす人が増えてニーズが高まるなかで、弊社のCDOでもある小玉さんにLIFFTのデザインやジャーナルについて相談したんですよね。

 

小玉:そうだったんですね。もともと私は「霽れと褻」のユーザーとしてこの会社とつながって、LIFFTにも関わるようになりました。LIFFTでもサブスクを始めよう、「花と新聞の定期便」同様、新聞のような印刷物(LIFFT Journal)も作るべきだよね、という話になり出川さんにお声がけしたんです。(出川さんは)そのとき、率直にどう思いました?

 

出川:小玉さんに、「LIFFTJournalの指南、それか編集長をしてくれてもいい!」と依頼をいただいたときは迷わず編集長をやりたい!といいましたね。そのくらい嬉しかったです。

 

上甲:去年11月から始動したLIFFTですが、嬉しいことにかなり良い反響をいただいています。

 

出川:私も、家族や友達がサービスを始めてくれたことがとても嬉しかったです。みなさん届いたLIFFTのお花の写真を撮って送ってくれたり…私自身いろんなメディアをに携わってきて初めてのことでしたので。

 

LIFFTのチューリップ

 

 

小玉:ところで、LIFFTのお花は素人目に見ても新鮮で品質が良いなと感じます。

 

上甲:お花の品質についてはこの上ないこだわりを持っています。

   メインとなる花材は、新鮮さを重視した花を選択しています。またLIFFTのお花は流通量の少ない珍しいものを取り扱います。例えば、2月号のラナンキュラスはフラワースピリットという産地さんのものなんですが、実はとても珍しい品種でして…

   普通は手に入らず、日本に1000本あるかないかの花材。そのうちの半分ほどをLIFFTに提供してもらっているんです。一般的に購入しようと思ったら1本1000円くらい。

   そんな希少な花々を提供してもらえるのも、産地さんに直接赴き、産地さんとの関わりを大事にしているから。まずはクオリティーを重視することで、お客様からの高い評価に繋がっていると思います。

 

出川:1本1000円!そうなんですね。今月のラナンキュラス、種類が違うものが入っていますよね。どれもとても元気で、少し寒いところに置いておいただけでも立派に花を咲かせてくれています!毎日ひとつずつ花を咲かせてくれていて…

 

上甲:そこもこだわりのポイントなんです。「霽れと褻」では一種類の花材のみなのに対し、LIFFTでは特集するメインの花材に加えて、そのお花に合う季節のお花・草花をセレクトしています。こうすることで飾り方のバリエーションも増え、お花の楽しみ方も広がるかなと思って。

 

 

白のラナンキュラス

 

2月号のラナンキュラス

 

出川:視聴者の方からも質問が来ていますが、お花は毎月どうやって選んでいるのですか?そういえば私も気になっていたんです。

 

上甲:お花選びはとても難しくて…。すごく時間をかけています。季節のお花の中でも産地さんが生産にこだわっているものなど、ストーリーのあるお花を選ぶようにしています。

 

小玉:形も色も独特というか特徴的で、こだわっている農家さんが多いですよね。

 

上甲:たしかに、今まで特集したお花は産地さんが独自に育種しているものが多いです。その一方で、そういったお花は流通量が少ないことも多くて。お花の魅力はそのままに、より多くの方に届けられるよう工夫していきたいところです。

フラワースピリットのラナンキュラス

 

フラワースピリットさんの圃場風景

 

 お花を「五感で感じる」ために

 

上甲LIFFTのこだわりはお花だけではなく、お花と一緒にお届けしている「LIFFT Journal」にもあります。ジャーナルではお花の飾り方、ケアの仕方、産地さんの思いなどをわかりやすくかつエモーショナルに伝えてくという目的で、紙の冊子をお花と一緒に届けることにしました。

LIFFTのジャーナル
LIFFT定期便 ジャーナル 
全16ページの小さな冊子
 

出川:毎号テーマを決めて編集しているのですが、そのテーマは文学作品の引用を使って読者の方を世界観に引き込んでいくものにしています。LIFFTの特徴である産地のこだわりや「五感を使って花を楽しむ」ことを伝えたいと思っているので、飾り方や香り、質感の楽しみ方を伝えるものになるよう工夫を凝らしています。

 

小玉:そもそもLIFFTのお花にジャーナルをつける理由ですが、せっかく届いたお花を飾るだけではなくて、お花を中心にした生活を楽しんでもらたいと考えていて。

   生活の中にお花がある状態で五感を研ぎ澄ましてその空気ごと楽しんで欲しいという思いを LIFFT Journalに落とし込みたかったんです。

 

出川: LIFFT Journalでは、市川渚さんジュリアン・レヴィさんのお二人にコラムをお願いしています。

 

市川渚(いちかわなぎさ)

市川渚

ファッションとテクノロジーに精通したクリエイティブ・コンサルタント。ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。「LIFFT journal」では各号のテーマに合わせ自身の経験やエピソードから読者のヒントになるようなコラムや思い入れのあるモノ、場所などを紹介する。

https://nagiko.me/

   

 

出川:市川さんのエッセイでは、多方面で活躍する彼女がどんな生活をしているか、どんなことを考えているかなど、お花からインスピレーションを得て一歩深堀りした内容になっています。等身大の彼女が「自分と毎日を肯定して生きていく」というテーマでコラム書いてくださっています。

 

 

小玉:最新のテクノロジーを活用した市川さんのようなライフスタイルに憧れる方に対して、彼女がお花を中心とした生活をどうやって考えて暮らしているかを伝えることで、何かヒントになればいいなという思いがあります。 

 

上甲:市川さんはテクノロジー、ファッションなど多方面へのアンテナがすごく高いですよね。その中でも花や植物への愛を大切にしていらして。そんな市川さんが、花・植物をどんな風に捉えているのか、どのように暮らしに取り入れているのか、個人的にも興味深いところでした。今後より一層世の中的にもモノが増えたり、テクノロジーが進歩していったりする中で、逆にお花をはじめとした植物の価値が見直されていくと思うんです。

 

出川:ジュリアンさんには、緩やかに繋がるショートストーリー「東京ダーリンズ」を連載していただいています。ここで縦書きのデザインに変わって雰囲気が一変するのも、またこだわりのポイント。

 

ジュリアン・レヴィ(JULIEN LEVY)

ジュリアン・レヴィ

 映画監督、作家、写真家。文筆家として、フランスの出版社Damiamiをはじめとする出版社から写真と文章による本を出版する他、シャネルのために撮り下ろしたエキシビジョン「BEAUTY IS YOU CHAOS IS ME」にも詩と散文を書き下ろしている。「LIFFT journal」では各号のテーマと花からインスピレーションを受け、読者の心がほどけるメランコリックなショートストーリーを書き下ろし。

http://www.julienlevy.com/

 

出川:彼に連載をお願いしたのは、文学的な要素を入れてをより情緒的なものにしたいね、と小玉さんと相談したのが発端です。東京在住の映画監督のジュリアンさんがフランス人の視点で東京という町を描いているのですが、花を飾る習慣が日本より身近なフランスの視点からの気づきが現された文章と写真がとても素敵なんです。

 

上甲:僕自身も彼の視点にすごく惹かれるものがあって。フランスでは日本以上に自宅に切り花を飾る人が多い印象で、人々の花への距離が近いと思うんです。映像作家のジュリアンさんは、そういう視点で情緒的な表現を用いながら「花を贈ること」を描いている。日本に暮らして長い彼が、どのように日本のお花のある暮らし・カルチャーを描くか、とても興味深いところです。

 

ジュリアンさんからインスタ上でコメント

『LIFFT journal 大ファンです!』

 

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LIFFTJournal 表紙

 

LIFFT Journal 

第1号のテーマは「私らしさ」

 

出川:LIFFT Journalは毎号のテーマを決めるのにもかなり頭を悩ませますよね…

 

小玉:そうですね。花言葉をそのままテーマにするのだとちょっと直接的すぎると考えて、もっと暮らしのヒントになるような言葉に落とし込むべく、嗜好を凝らします。出川さんがお花に関係する文学作品をリサーチしてくれて、そこからコンセプトに落とし込むんです。

 

出川:花言葉や花のモチーフに近いものを選んでいます。例えば、初回のバラだったら「ロミオとジュリエット」から着想を得て引用したり、3月号のアルストロメリアはその生態からアイデアを得ました。これからお届けするジャーナルのテーマも、「なにからどのように着想を得たのかな?」などと予想するのも楽しいかもしれませんね。

 

次回、後編にてLIFFTの目指す「お花のある暮らし」についてより深く対談した模様とインスタライブに寄せられた視聴者さまのコメントをご紹介します。(近日公開予定)

 

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LIFFT定期便の花束とジャーナル

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