【黒島結菜と花言葉 #01】ピンクのバラを見つめて考えた、「上品」って何だろう?
女優の黒島結菜さんが、花言葉をテーマに、日々考えていることを文章と写真で残すエッセイ。
第一回目の花は「ピンクのバラ」。花言葉は「上品」です。
慌ただしい生活の中で、ついつい忘れてしまう品性ってなんだろう。女優の大先輩の名言や、日々の事を回想しながら考えます。
Profile
黒島結菜 ●くろしま・ゆいな
1997年生まれ。沖縄県出身。2013年に女優デビュー後、ドラマ、映画、CM、舞台などで活躍。2022年前期連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)でヒロイン・比嘉暢子役で出演予定。趣味は写真と旅。これまで撮影した写真はInstagram(@yuinakuroshima)で更新している。
はじめてエッセイを書きます。
初めまして黒島結菜です。エッセイを書くことになりました。よろしくお願い致します。
去年の夏にある人から、「君はそんな遠くない先で何か書くことになるよ」と言われたのを思い出し、本当に現実になった...しかも思ったより早く...と驚いているところです。
そもそも私は文章を書くことが苦手で、小学校の読書感想文は半分以上はあらすじを書いてしまったり、伝えたいことを文字で表現することが難しいので、インスタグラムではキャプションをつけず写真のみで投稿したりと、書くことに対してずっと苦手意識がありました。
そんな私が初めて書きます。である調で書くべきか。でも書いていると、ですます調になってしまう...。恥ずかしいことになるのは分かっていますが、挑戦しないほうが恥ずかしいので、難しく考えず思うままに楽しんで書いていきたいと思います。
ちなみに、2022年の目標ハッピーです。
そうそう、このエッセイは花言葉がテーマです。
今回、私が紹介する花はピンク色のバラ。花言葉は「上品」「しとやか」「感銘」などがあります。バラは色によってそれぞれ花言葉が異なり、バラのトゲにも「不幸中の幸い」という花言葉があるそうです。
特に私がピンク色のバラの花言葉で気になったのは「上品」です。
そもそも上品とは程遠い私。そんなことを考えたこともなく、考えても考えても何も出てこない...。ヒントをもらうため本棚にある本をパラパラめくっていると、八千草薫さんの著書『あなただけの、咲き方で』にこう書いてありました。“品位とは相手を思いやる気持ちの現れ。姿勢や、挨拶、言葉遣い、これを相手に配慮して無意識のうちにできること”だと。
私はすっかり勘違いをしていました。品というものは、単純にある/ないということではなく、“日々の小さな積み重ねの上にあるもの”だということを。私は相手のことを思って日々過ごしているのだろうかー、最近の私は自分が大事で大好きで、自分にとって良いことしかしてなかった気がします。そんな生き方をしていたら、上品とはますます離れていきますね。
何気なくとっている行動が自分のためではなく、相手に失礼のないように行動ができているか。いきなり全てを完璧にすることは難しいけど、相手の目を見て挨拶をすることや、正しいお箸の持ち方など、あたりまえのことがきちんとできる人、相手の立場になって行動ができる人が上品な人なのかもしれません。
『あなただけの、咲き方で』著:八千草 薫/幻冬舎文庫
そういえば、私の尊敬する高峰秀子さんは、洗濯機があっても下着は必ず手洗いして浴室に干していたそうです。それを知ってから私も真似をして手洗いするようになりました。さっきの話とは少し違うかもしれないけど、ここで言わなきゃもう一生言わない気がしたので。
普段の私は髪の毛もボサボサだし、気がづいたら爪も伸びているし、服も犬の毛がたくさんついてるし。他にもいろいろ...考えてみれば本当に恥ずかしい。そもそも考えてなかったことが恥ずかしい。品よく生きるためにはやらなければいけないことがたくさんありますが、ひとつひとつ意識して整えていきたいです。
頑張るぞ、ん? 頑張ることなのか?
今年のおみくじは大吉で、“自然に生かされているのを忘れず感謝しなさい”と、書いてありました。人は一人で生きているようで、一人では生きていけません。あたりまえのことにありがとうという気持ちを持つことを、しっかり覚えておかなければいけないです。
『調香師の手帖 香りの世界をさぐる』著:中村 祥二/朝日文庫
ちょうど友人に勧められて読んでいる本にバラについて書いてありました。“香りが良いもの、それがバラだった”。バラは派手なイメージがあるからか、好きでも嫌いでもなかったけど、香りという内からなるものに美しさがあると思うと、バラのことが好きになりました。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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