陶芸家 Keicondo×LIFFT 対談 【前編〜Keicondoの器作りのルーツ〜】

LIFFT TALK ROOM  

LIFFT TALK ROOM は、LIFFTが主催する対談とそのレポートのシリーズです。

 

LIFFT Concept Shopでは、6/12(土)に陶芸家 Keicondoさんをお招きし、「Hana と Utsuwa -初夏のしつらえ- 」というイベントを開催しました。 

当日はオリジナルで製作頂いた花器、植物用の鉢の販売に加え、LIFFTを提供するBOTANIC代表上甲とKeicondoさんによるトークイベントも実施し、二人の出会いや製作背景、こだわりなどについてお話いただきました。

 

今回は、その対談のまとめ「 陶芸家 Keicondo×LIFFT 対談 【前編〜Keicondoの器作りのルーツ〜】」をお届けします。

 

Profile


Keicondo

 Keicondo

1981年笠間市生まれ。2006年に茨城県窯業指導所(現:茨城県立笠間陶芸大学校)に入所し陶芸を学ぶ。卒業後はJICAの海外派遣に参加し、ボリビア国で陶磁器隊員として笠間焼の技術を伝える。 2009年茨城県笠間市にて独立。


上甲友規(じょうこうともき)

上甲友規

代表取締役CEO

愛媛県出身。一橋大学を卒業後、メーカー、戦略コンサルティングファームを経て、BOTANICに入社。



LIFFTとKeicondoの出会い

対談1

 

上甲本日は、LIFFT Concept shop」で花瓶や鉢を販売させていただいている、陶芸家のKeicondoさんにお越しいただきました。「Hana と Utsuwa -初夏のしつらえ- 」というイベントでお客様に直接花器の魅力をお伝えいただきつつ、Keiさんの器作りについて深くお話をお伺いしていきます。

 

Kei:こんにちは、Keicondoです。普段は茨城県の笠間市で、笠間焼という手法を用いて食器や花器、装飾などを製作しています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

  

____オリジナル花瓶を作っていただくようになった経緯とは?

 

上甲:共通の知人の方にご紹介していただき、Keiさんが東京にいらっしゃった際に初めてお会いしました。その時に一緒に花瓶を作ってみませんかとかいう話になったんですよね。

 

Kei:そうですそうです。

 

上甲:作家さん独自の感性で花瓶や鉢を作っていただく機会って、これまでほとんどなかったんです。Keicondoさんには、「LIFFT」のために花瓶や鉢を一点一点ハンドメイドで作っていただいています。普段は本当に有名なホテルやレストランに作品を卸されているのですが、その合間を縫ってとても素敵な花瓶を作っていただき本当にありがとうございます。

 

Kei:こちらこそありがとうございます。とても楽しみながら作っています。

 

 

 作家によって出るカラーは十人十色、笠間焼の面白さ

対談2

 

 ___笠間焼はどのようなスタイルの焼き物なのでしょうか?

 

Kei:日本には様々な焼き物が存在しますが、茨城県笠間市にも笠間焼というものがあります。昔から、土を掘ったら良質な笠間粘土が出てくる土地だったため、焼き物文化が発展し陶芸の産地に。。今では県外、国内外問わず様々なバックグラウンドを持つ方々が移住してきているのですが、笠間焼にはこれといった形をあえて決めつけない、自由な風土があります。

いろんなカラーを出せるのが笠間焼の特徴で、作品の種類や作風の幅が広く、笠間に来たら色々な焼き物を楽しめます。作家それぞれの感性が反映された、十人十色の焼き物が存在します。それが、笠間焼の面白さですね!

異文化を体験したボリビアでの経験

keicondo

上甲:Keiさんのお父様も陶芸家ですが、Keiさん自身は一度大学を卒業されて一般企業に就職されてますよね。ただ、やはり陶芸をやりたいと思って茨城県窯業指導所(現・茨城県立笠間陶芸大学校)に入所し陶芸を学びはじめたとお聞きしました。

 

Kei:そうですね。土に触ってからはかなり長いのですが、独立してからだと今年で12年になります。また、卒業後はJICAの海外派遣で陶磁器隊員としてボリビアにも行きました。大それた事をした訳ではないのですが、現地の方達と一緒に話し合いながら、もっと良質な陶器を作っていこうという提案をさせてもらって。自分がああしろ、こうしろというのではなく、お互い情報を共有しながら、僕も教えてもらいながら一緒に品質改善を行いました。

____日本とボリビアの焼き物にはどのような違いとは?

Kei:日本の「わび・さび」文化のようなものがないため、料理が入れば食器は何でもいいという感じでしたね。また、陶器やセラミックはタイルなどアートに用いられることが多く、そもそも食器として使用することは求められていませんでした。私が行った際にも、食器ではなくお土産や水瓶などを作っていましたね。


 

Keicondoだけが持つ”色”と”形”

対談3

 

____普段はどのような作品を製作されることが多いのでしょうか?

Kei:普段はお皿などの食器類がメインになりますが、花瓶なども作っています。黄色が主体となった器が多いです。

上甲:Keiさんが作られる黄色はとても独特な色合いだと思うのですが、どのような着想で作られたのでしょうか。

Kei:自分が気に入った色、心が落ち着くような色をずっと作っています。最初からこれをやりたかった訳ではないのですが、この色が出て「あ、これいいじゃん、これでやっていこう」と思ったら10年経っていたんですよね(笑)

上甲:この黄色をはじめとしたKeiさんのスタイルは、色々と試行錯誤される中で生まれたものなんですか?

Kei:  感性、感覚は色々旅をしたり、感じてきたりしたものの積み重ねによってできています。自体は、自分が勉強した所で沢山色味のテストをさせてもらう中で生まれました。たまたま出たこの色に、とても心惹かれたんです。「あ、これって普段の器に使えるんじゃないか」と思って。もちろん最初から世に認められた訳ではないのですが、もっとやってけるな、もっとポテンシャル引き出せるなと思ってるうちに、現在の色と形に落ち着きました。

 

上甲:あまり見かけないスタイルですよね。

Kei:そんなに複雑なことをやっている訳ではないのですが、たまたま他にやってる人がいなかったんですよね(笑)

対談4

 

上甲:野菜などの色合いを引き立てる風合いなのと、クリエイティブでありながらも都会的な匂いを持ち合わせている点が料理家の方にも認められている由縁なのかなと思います。花瓶にもこのようなテイストのものはほとんどありません。Keiさんの技術や感性が、この独特な存在感を作り出しているのだと思います。私たちも、その素晴らしさを皆さんに伝えられたらなと思い、店舗で扱わせていただいています。

Kei:本当にありがたいです。私が「これは良いのではないか」と思っていても、反応がない限り一人で突っ走っているだけになってしまうので。食器の場合、陶芸家にしろ料理家にしろ周りからの反応、アドバイスがあってこそ次の形や提案が決まっていきます。花瓶も最初はシンプルに花が入ればいいという感覚で作っていましたが、口径のサイズや高さなど、花の専門家からコメントを頂くたびに学びがあって、成長させてもらっています。

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   次回、【後編〜花・植物のために器作り〜】では、Keiさんの作品作りについて、そしてKeiさんの花瓶に合う花たちの紹介をお届けします。味わい深い花器とLIFFTで扱っている花のコラボレーションをお楽しみに。

 

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